恋愛の神様


ピーの子はボクんの?

ピーの子はボクの、ピーの子はボクの…………

ザケンナ!!
俺んのだ!!

てか、アイツ身に覚えがあるような事したんかよ!?

いやいや、万が一あったとしても、俺んのだ!

たとえアイツの子供だろうと、俺のもんなんだ!!




遅まきながら追っかけて行ってそう言おうとしたけど、止めた。

その後、虎徹と会う約束もあったし。

何より、認めさせたいのは野山にであってコイツじゃねぇんだ。

乗り込んで行って、野山を奪還するだけじゃ意味がない。

それじゃ、これまでと変わらない。

ダメなんだ。

もっと確実に捕まえられる手段を取らなくては―――そのために今はしなきゃならない事を優先させる。

頭に血が昇っているとはいえ、……いや、頭に血が昇っていたからこそ、変に頭も回る。

そこに来て冒頭の住所の意味が理解できた。

あんにゃろう……文句があるならいつでも来てみろってか!?

言い捨てじゃない証拠のように自分の居場所を教えて。
多分、そこに野山もいるという意味で。

返してほしけりゃ奪いに来いとばかりに住所を教えてったのだ。

あのシロウサギ、ぼさーっとしてるくせに俺を挑発するとは上等だ。

今度こそ確実に、必ず奪い返してやる!!!




気合満々で乗り込んで行って―――

まんまとアイツ等に踊らされた事を知った。



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