恋愛の神様

零於さんはワタクシの怒気に一瞬怯んだものの、すぐに表情を緩めました。

眩しいくらいに甘くて優しい笑顔で


「チィちゃん、愛してる。」


唇が塞がれました。

切ないくらい甘いキスを受けながら、零於さんと言う人は本当にイイ人と言うかお人よしなのだろうな、等と考えます。

なんだかんだとワタクシの体調を気遣って、ワタクシが負担に思わないように業と茶化して混ぜっ返して拒否する道も与えてくれたのだと思います。

そんな人だから――――大好きなんです。

今も明日も

何年経っても

二人でも、

―――二人だから


「ワタクシも…零於さんを愛してます。」
















―――数日後


「オマエ……鈍過ぎだろ、そりゃ。」

「なんと!数日前に愚鈍な神経を養えとおっしゃったのは零於さんじゃありませんか。」

「だからってオマエ…………」


零於さんが疲れたみたいにはぁーっ、と重い溜息を吐きます。

いえ、ワタクシも本音の所では溜息を吐きたい心境なのですが……。

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