恋愛の神様

連絡しようと決心して再び身を翻しかけ、目の端で捕えたものに慌てて振り返った。

げっ!
アイツ何やってんだ。

野山は先ほどの所にいるにはいるが、数人の男に囲まれている。

何やらご機嫌な男達に対して野山はいつも通り平板な顔で何やら会話をしているようだ。

むかっとした。

それに気づいて、慌てる。

落ちつけ、俺。

野山は男をとっ捕まえるためにオシャレしたんだから、これでいいんじゃないか。

そう思ってみてもやっぱりイライラは収まらなかった。

だが飛んでいくのは堪えて、とりあえず様子を見るコトにして、湾曲する手すりに距離を置いて身を預けた。

野山が絶世の美女になったとは言わない。

だが見るからにどこか抜けていそうで、男にしてみれば付け入る隙があるのだろう。
現に良いように言い寄られているし。

つか、野山はそれでいいのか!?
なんだよ、そのチャラ連中は。

DJかぶれの軽い格好で、浮かべる笑顔も相当バカっぽい。


そうこうしている間に一人の男に肩を抱かれ野山が歩き出す。

何か真面目な顔で言い募っているようだが、当たり前のように聞き捨てられている。
他の男たちもその周りを囲うようにして移動してゆく。


…………大馬鹿。


連れて行かれた先に何があるか分からないわけじゃないだろう?
……て、アイツじゃ分からんか。

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