恋愛の神様
恙無く解凍した野山が平静に応える。
「あ、ワタクシも十分雰囲気を堪能出来ましたので結構ですよ。」
「そりゃヨカッタ。」
意見の合致で外へ出た。
さて、もう少し夜の遊びを満喫させてやるにはどこへ連れてけばいいか―――そんな事を考えつつ数件の店を思い浮かべていると、いきなり背中に衝撃が加わった。
なんだよ。
段差なんてねーだろーが。
呆れて振り返り、唖然とした。
コイツ立ったまま寝てるし!
覗きこむと鼻孔に甘いアルコールの香りがした。
そーいや、男に囲まれていた野山は黄色い液体の入ったデカイグラスを手にしていた。
歩き出したタイミングで別の男が引っ手繰っていたが。
このバカ。
うかうか呑まされやがって!
酔っ払いかよ、チクショウ。
コイツはどこまで俺に手間を掛けさす気だ、と腹立たしくなりつつ、路上に放り投げて行くわけにもいかず野山を抱えて歩き出した。
※
後で思えば手近なホテルで良かったのだ。
適当に寝かしときゃそのうち目が覚めたんだから。
しかし、野山を相手にその手の場所がまるで思い浮かばなかったんだから仕方がない。