恋愛の神様
それまで寝ぼけていたように停滞していた脳細胞が一気に動き出す。
言葉のパズルを組合わせて、一つの結論を導き出す。
「……虎徹くん……私のコト、好き、なの?」
ハァ?と言うようにカレが顔を顰める。
いつものポーカーフェイスらしくない表情。
「俺は最初にオマエの事を『知ってる』って言っただろ?」
「言ったけど……」
それで私に何を分かれと?
「周囲の奴等には『オマエが女を覚えてるなんざ、メズラシイ』と散々からかわれたけどな。」
「……知らないわよそんな事。」
私は疲れてガクッと肩を落とした。
頭が良くて、先回りされるのも考えものだわ。
その思考に誰もがついていけるなんて思わないでほしい。
後ろから回された腕が私をぎゅうっと拘束する。
「ずっと見てた。イイ女がいるなって。絶対俺のものにしようと思ってた。」
「……勝手、だわ……」
知らないわよ、そんな事。
知らなかったわよ。
ドキドキと煩い鼓動を持て余しながら拗ねたように俯く。
すると顔を持ち上げられ覗きこむようなカレの瞳と視線が合う。
でも私は知ってしまったもの。
この一見冷徹にも見える冷やかな双眸が、本当はとても熱い事を。
触れたら私なんかイチコロに溶けてしまうことくらい
―――本当は知っていた。