Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪
「新婚旅行以外のカップルが観光にくる。
あるいは、ある程度大きくなった子ども連れのファミリー。
そういうことなんだろうな。
では我々は、どこにターゲットをおくか」
怜士は麗華の言葉を無視して続け、思案するような声になった。
それを打ち消すように、声音を明るくする。
「さて、遅くに悪かったな。
さすがに3日も電話をできなかったから。
寝ているとは思ったんだけど、忘れられそうだから」
「うん、忘れてた」
「ふうん?
やっぱり足りないみたいだな」
自分で言っておきながら、声音が下がり不服そうな雰囲気になっている。