Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪

「ああっ、ダメです。
 お店まで送ります。
 歩いていくなんて、ボスに殺されます」
「いや、ここNYじゃないから」


麗華は反論したが、ニコラスの懇願の目に負けた。


しかも車から降りると、一緒に降りてくる。


「帰る時はこの車で帰ってください」
「ニコラス、どうするの?」
「タクシーで帰ります。
 今夜は楽しかったです。
 ボスのこと、あまりいじめないでくださいね~」


なんだかやっぱり彼の日本語の使い方がおかしい気がする。


日々、いじめられているのはこっちだと思うのだが。


ニコラスは麗華をハグしてから、手を振って軽やかに通りを歩いて行った。


タクシー拾うって言ってたのに。


っていうか、日本に来て間もないのに、帰る方向はわかるのか。


色々と心配になりながら、バーの中に入る。
< 226 / 419 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop