Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪


「あれー、麗華」


美和が一人でいた。


「ピナちゃんは?」
「出張」
「ふうん」
「なに?
 どうした?
 今泉にがっちり捕まっているかと思っていたけど」


麗華はさっきのかっさらい事件を思い出して、ぐっと奥歯を噛んだ。


「べつに」
「お、機嫌悪いな。
 今泉も忙しくてほったらかし?」
「ピナちゃんも忙しくて、美和もほったらかしなんだ」
「ま、ね」


麗華はがたがたとスツールを音を立てて引くと、座った。


ため息がもれる。
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