Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪
一番の懸案事項だった電話を車中で済ませると、ちょうど会社だった。
「おっはよーございまーす」
ニコラスの含みのある陽気な挨拶を、冷たく一瞥して執務室に入った。
体を投げ出すように椅子に座る。
麗華に自信を取り戻させたい。
そうしないと連れて帰れない。
だけど麗華が再び自信を取り戻すと、ますますこちらのプロポーズに頷かないだろう。
競争も激化しそうだ。
特に、外見の自信を取り戻すことは言いたくなかったのに。
あまりにも落ち込むから。
麗華のうつむき加減の表情を思い出す。
どうせだったら、存在意義までめちゃくちゃに砕いて、騙すように連れ帰るほうが手っ取り早いのに。
甘いんだよ。
怜士は自分に罵倒して、胸のうちで舌打ちをした。