Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪
時間通りにロビーに入ると、待ち構えていたようにニコラスが現れ、麗華の首に来客用のIDホルダーをかける。
「これで警備員に追い出されないですから」
「ありがと」
「いいんですよ~。
・・・いい話ですよね?」
「だといいんだけど」
麗華は曖昧に笑った。
「グッドラック。
レイカ」
ニコラスは軽くハグすると、にこにこと手を振って、エレベーターへと消えて行った。
この待つ緊張感とは・・・。
教員採用試験ぶり?
じっと座っているのも落ち着かないのに、ソファーから立ち上がると、ロビーの端から端まで歩いてみる。
全面ガラス張りに沿って歩いていると、黒く長い車が滑り込んでくるのが見えた。
麗華は足を止めた。