Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪
待っていた人物が降りてくる。
周囲に関心を示そうともせず、まっすぐ前を向き、やや速足だった。
「怜士」
麗華の声に怜士の足が止まって、顔をめぐらせる。
表情は現れず、目も冷たい温度のまま。
ミスターダバリードだ。
「なに?」
麗華がいることに驚きもせず、平坦に聞かれる。
「えーと。
歩きながらにする?」
「悪いけど、不用意に社外の人を中に入れられないから」
にべもなく言い放った。
「そうだよね。
えーと」
しかしこの目に見下ろしがちでは、なかなか言い出しづらい。