Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪
こうやって淡々と色々と進んでいくんだな。
麗華は軽くため息をついた。
なんだか景色に色が無いと思ってしまうのだ。
あの頃は・・・。
「麗華さん」
たぶん麗華が何に思いを馳せだしたか見抜いたのだろう。
美和は幾分か、たしなめる口調だった。
「ん?
なあに?」
麗華はしらばっくれた。
「パーティを開かないとね」
「え~、美和が開くパーティって、ロクでもないし」
「そんなことないよ~。
誰、呼んでほしい?
イケメン、いっぱい知ってるよ?」
「美和の友達はみんなタイプじゃない」
「物は試しって言うじゃない」
「ありえない」
美和は笑いながら麗華の肩を抱いて歩き出した。
また、一つの区切りがついちゃったなあ。
うるさいセミの鳴き声を聞きながら、麗華は少し微笑した。