Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪
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ダバリードに入るにあたって、あの男の言いなりになっているわけでは無かった。
何事も経験とは思ったから、仕事の内容には注文はつけなかったが、周囲を固めるメンバーは要望を通した。
あの男のスパイと一緒に仕事をするのはごめんだ。
それに寝首を掻かれるのも避けたい。
だから一番身近な秘書には大学の同級生を引っ張った。
仕事は当然だが多忙を極めた。
だが、向いているのは否定できなかった。
社会人としての日々の時間は充実している。
そう。
仕事もプライベートも。
食指が動いた女に拒否されることはなかった。
そんな毎日が普通になりつつある時。
気づいたのは車に乗ってからだった。