Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪
新学期が始まったばかりのせいか、図書館には思ったよりも人がいた。
長机の空いている席に座ると、教科書を広げる。
大学になると、なぜ教科書の内容レベルが上がるのだ?
そもそも文章がわからないではないか。
教科書のあちこちをめくるが、どこの話だったのかさえわからない。
「あれ、宮内さんじゃん」
声をかけられ、隣に座った男子がいた。
「おはよ」
とりあえず挨拶はする。
見た顔ではあるのだが、名前が思い浮かばない。