Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪
「元華族のお姫様が小学校の先生ねえ」
ぼやくような口調だ。
「その差別発言止めて」
「ノブレスオブリージュってこと?」
「そんな上からじゃないから」
麗華は小さく呟いた。
授業が始まった途端に、机に突っ伏して寝ている美和をほおっておいて、ノートをせっせととる。
だが言っている意味もわからなければ、単語もわからなくて、平仮名ばかりになる。
次の時限は空きだから、図書館に行って教科書と見比べよう。
寝たままの美和に声もかけず、麗華は教室を出た。