隣の席のキミへ…

案の定、お兄ちゃんはあたしと目が合うたびニコッと笑ってきた。


おぉぅ……。
寒気がするわっ!!



「なぁ、たんぽぽ!教科書見せて!?忘れてきたっぽい」

そんなあたしの気持ちも知らずに教科書を忘れてきたお馬鹿な総悟くん。

よく忘れ物するよなぁ。
そう思いながらも
「あぁ。いいよ?」

と言って机と机の間に教科書を置いた。

「どー…ぞ…」

前を見るとまたまたニッコリわらうお兄ちゃんの姿。


「うっ!!やっぱ貸したげるから1人で見て!」

「はっ!?」


総悟は頭の上にはてなを一杯つけて叫んだ。

あたしはいいから1人で見て!!と言うと

「じゃあ俺いいよ。教科書なくても」

と、少しムスッとしてあたしに教科書を返すと反対側を向いてしまった。


あーあ……(泣)

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