隣の席のキミへ…



教室かな…………?


あたしは勢い良く階段を駆け上がった。




教室のドアは開いていた。
ヒューと風の音がする。



「ーそ…う……」

声をかけながら教室へ入ったけど途中で止まってしまった。



総悟は教室の窓を開けてまだ蕾の桜を見ていた。

風が総悟の綺麗な髪を揺らす。





その姿がなんだかとても寂しそうで……。






悲しい気持ちを押し殺しているみたいで………。








あたしは……

あたしの気持ちを隠せなくなった。




「今」言わなくちゃって思った。






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