シンデレラの落とし物
迷路のような道を通り、統一感のある街並みの一角にあるバールにたどり着く。
立ち飲みのできる店内は賑わう常連客で既にいっぱいだったが、テラス席にはまだ空席があった。こみ合った店内でヴェネチアの夜を楽しむ選択肢もあったが、ゆっくり落ち着いて食べようと空いているテラス席を選んだ。席につくと、
「ボナセーラ!」
陽気なイタリア人の店員が挨拶をしながらテーブルに円形のキャンドルグラスを置き、去り際にウインクをして去っていく。
暮れていく空に夕闇が迫る。グラスのなかに灯された温かみのあるキャンドルの明かりがふたりを包んだ。顔を上げた互いの瞳には相手の姿と、キャンドルの光が煌めく。
「あー……なんか、オレたち」
「まるで……」
『恋人同士?』
状況から思ったことを同時にいって、照れ臭さをまぎらわすようにどちらからともなく笑い合う。
周りのテラス席を利用している客も、よくよく観察してみればふたり組のカップルらしい男女ばかりだ。
立ち飲みのできる店内は賑わう常連客で既にいっぱいだったが、テラス席にはまだ空席があった。こみ合った店内でヴェネチアの夜を楽しむ選択肢もあったが、ゆっくり落ち着いて食べようと空いているテラス席を選んだ。席につくと、
「ボナセーラ!」
陽気なイタリア人の店員が挨拶をしながらテーブルに円形のキャンドルグラスを置き、去り際にウインクをして去っていく。
暮れていく空に夕闇が迫る。グラスのなかに灯された温かみのあるキャンドルの明かりがふたりを包んだ。顔を上げた互いの瞳には相手の姿と、キャンドルの光が煌めく。
「あー……なんか、オレたち」
「まるで……」
『恋人同士?』
状況から思ったことを同時にいって、照れ臭さをまぎらわすようにどちらからともなく笑い合う。
周りのテラス席を利用している客も、よくよく観察してみればふたり組のカップルらしい男女ばかりだ。