シンデレラの落とし物
わたしが寝たあと、ずっとこうしてくれていたの……?
秋の優しさに心が揺さぶられる。美雪は目を閉じて溢れてきそうな涙を押さえた。
秋くん、ありがとう。
でも、今のわたしに秋くんのその優しさは少し酷だよ。
何故なら。
あなたは好きになってはいけない人だから。
けっして手の届かない人だから。
ずっとこうしていたい。
けれど、はなれなければ。
自分に言い聞かせ、彼を起こさないようにそっと腕から抜け出す。目を覚ましてないか不安になって再び秋を見ると、ぐっすりと眠っていた。やっぱり遅くまで起きていてくれたのか眠りが深いようだ。少し長めの前髪が額にかかっているせいで、いつもより若く見える。悔しいけれど、その寝顔にさえも心がくすぐられた。顔にかかる髪を払ってあげたい衝動と戦って、拳を握りしめた。
これ以上決心が揺らがないうちに行動しなければ。心を決めて美雪は顔を上げた。
鏡を見て、自分の顔に怯む。目がだいぶ腫れている。
昨日あれだけ泣いたのだ。目が腫れているのはどうしようもない。
身支度を整えた美雪は眠っている秋のベッドの脇に立ち、もう一度彼を見つめた。そしてその寝顔をしっかり目にやきつけると、置き手紙を残して部屋を後にした。
秋の優しさに心が揺さぶられる。美雪は目を閉じて溢れてきそうな涙を押さえた。
秋くん、ありがとう。
でも、今のわたしに秋くんのその優しさは少し酷だよ。
何故なら。
あなたは好きになってはいけない人だから。
けっして手の届かない人だから。
ずっとこうしていたい。
けれど、はなれなければ。
自分に言い聞かせ、彼を起こさないようにそっと腕から抜け出す。目を覚ましてないか不安になって再び秋を見ると、ぐっすりと眠っていた。やっぱり遅くまで起きていてくれたのか眠りが深いようだ。少し長めの前髪が額にかかっているせいで、いつもより若く見える。悔しいけれど、その寝顔にさえも心がくすぐられた。顔にかかる髪を払ってあげたい衝動と戦って、拳を握りしめた。
これ以上決心が揺らがないうちに行動しなければ。心を決めて美雪は顔を上げた。
鏡を見て、自分の顔に怯む。目がだいぶ腫れている。
昨日あれだけ泣いたのだ。目が腫れているのはどうしようもない。
身支度を整えた美雪は眠っている秋のベッドの脇に立ち、もう一度彼を見つめた。そしてその寝顔をしっかり目にやきつけると、置き手紙を残して部屋を後にした。