シンデレラの落とし物
タクシーに乗り込んだふたりは秋の家へ向かう。
秋の家はタワーマンションの上階にあった。
セキュリティのしっかりした入り口、高級感のある広いロビーを通ってエレベーターを降りたのは最上階の60階だった。
秋が慣れた手つきでカードキーを使い、ドアを開け
「どうぞ」
先に美雪が入るように促す。
「お、お邪魔します……」
おそるおそる部屋の中へ足を踏み入れる。静かな室内の、大理石でできた床に足音が響く。
部屋へ入って緊張感や戸惑いが吹き飛んだ。
暗い室内をほのかに明るく照らす窓に自然と視線が引き寄せられた。床から高い天井まで、一面の大きな窓に駆け寄る。そこから見渡せる都会の夜景に夢中になった。
「キレイ……」
あとから部屋へ入った秋が照明をつけないままに、美雪のいる窓際に近づく。気配を感じた美雪が陰影のはっきりした秋を振り返る。
「キレイだね」
美雪は再び窓の外に視線を戻す。
眠ることを知らない都会のネオンの輝きが、キラキラ輝く宝石のように一面に広がっている。その美しさに感動し、目を奪われた。
秋の家はタワーマンションの上階にあった。
セキュリティのしっかりした入り口、高級感のある広いロビーを通ってエレベーターを降りたのは最上階の60階だった。
秋が慣れた手つきでカードキーを使い、ドアを開け
「どうぞ」
先に美雪が入るように促す。
「お、お邪魔します……」
おそるおそる部屋の中へ足を踏み入れる。静かな室内の、大理石でできた床に足音が響く。
部屋へ入って緊張感や戸惑いが吹き飛んだ。
暗い室内をほのかに明るく照らす窓に自然と視線が引き寄せられた。床から高い天井まで、一面の大きな窓に駆け寄る。そこから見渡せる都会の夜景に夢中になった。
「キレイ……」
あとから部屋へ入った秋が照明をつけないままに、美雪のいる窓際に近づく。気配を感じた美雪が陰影のはっきりした秋を振り返る。
「キレイだね」
美雪は再び窓の外に視線を戻す。
眠ることを知らない都会のネオンの輝きが、キラキラ輝く宝石のように一面に広がっている。その美しさに感動し、目を奪われた。