一途なあたし。
もちろん声の主はエマちゃんで、
「エマっ」と呼びかける旬の元に
駆け寄った。
...もう名前で呼び合っているんだ。
何気ないところにさえビクッと反応してしまう。
「旬くんっジャージ...ありがとう!」
「あっ全然いいよ!」
旬はエマちゃんから綺麗にたたまれたジャージの上着を受け取った。
「本当は洗って返そうとしたんだけど...使うって言ってたし、本当ゴメンネ?」
エマちゃんはそういって上目遣いで旬を見上げた。
あたしよりは背が高いものの、旬からしたら全然低いから
エマちゃんの上目遣いが自然のものだって分かるのに
あまりにもその姿が可愛くて、あたしは視線を地面にずらした。
「まじで大丈夫!じゃーチビまたな!」
でも旬がそういってあたしの頭をぽんぽんとなでるから
自然に顔をあげて、そのときエマちゃんの視線もあたしを捕らえていて
ニコッと微笑んでくれた。
....可愛い....ものすごく。