予想外の恋愛
試着室に入る直前に、思いっきり睨みつけてやった。
それに対して鬱陶しそうに手をしっしっとする朝田さん。…かなりムカつく。
だけど選んだワンピースを着てみると、良い値段なだけあってとてもスタイルがよく見えた。
こっそり一人でテンションを上げていると、扉の向こうから声がした。
「おい、まだか」
「今出ますよ!もう、せっかちな男の人は嫌われますよー」
「うっせ」
扉を開けると、すぐ前に朝田さんが立っていた。
「………」
「………」
「あの、なにか言ってくださいよ」
「………それにする」
「はあ!?だからこれはあくまで私の場合で!」
「すいません、これこのまま着て行きたいんでタグ取ってください」
「ええ!?」
「かしこまりました」
店員が手早くタグを取り、もともと着ていた服を紙袋に入れた。
まったく話が見えない私はもはやされるがままだ。
「これも履け」
「え、それって」
さっき買ったエナメルのパンプスが足元に置かれた。
いつの間にかこれも箱から出されている。
「それから…これは、付けてやる」
朝田さんの手の上で光っているのはあのゴールドのネックレス。
手際よく私の首にまわし、ホックを付ける。
首筋にひんやりとした手が当たり、ぞくっとした。
「…よし。お前もちょっとは見れるようになったな」
「どういうこと…?」
「行くぞ」