予想外の恋愛





「今日はありがとうございました。すごく美味しかったです」



ディナーを終えた後、朝田さんは私を家まで送ってくれた。

助手席を降りる前にお礼を言うと片手を挙げて答える朝田さん。

よく考えたら、買い物をして服を買ってくれて、ご馳走になってしまった。
これじゃまるで…。


「…デートみたいだったんですけど、今日」

「そう思ったか?」

「はい。なんかすごく楽しかったし美味しかったし、あっという間だったし」


素直に思ったことを口にすると、朝田さんは眉間にしわを寄せて頭をガリガリした。


「…お前みたいな女が一番タチ悪いわ」

「ええ?最後にそんな暴言吐くとか台無しすぎる」

「はいはい。じゃあな、せいぜい美味いコーヒー淹れる練習頑張れよ」



朝田さんの運転する車が見えなくなるまで見送ってから家に入った。

紙袋から赤いコーヒーカップを出してテーブルに置いて眺めながら、今日一日のことを振り返る。

たくさんの物をもらってしまった。
これらを見るたびにきっと今日のことを思い出す。

ショッピングモールを隣で歩いたこと。
美味しい料理を食べたこと。
ポケットに手を突っ込んで立つ朝田さんの姿。



自然と頬が緩んでしまうのは、何故なのだろう。






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