予想外の恋愛


大好きだった笑顔で映っている近藤くん。

それを見た瞬間、数々の思い出が頭の中で再生された。





バレンタインデーの時。

まだ告白していなかった私は、恥ずかしくてせっかく作ったチョコを渡すことが出来なかった。
だけどホワイトデーで近藤くんは私にお菓子をくれた。

チョコを渡せてないから受け取れない、と言った私に、
お返しの日なんて誰が決めたの?と言ってくれた。




3ヶ月記念の日。

近藤くんに内緒でお弁当を作った私は、勇気を出して渡しにいったけど、彼はお弁当を持ってきていた。
無駄な行為だったかと渡さずに戻ろうとした私を引き留めて、嬉しそうな笑顔で食べると言ってくれた。

そして私は近藤くんのお母さんが作ったお弁当を代わりに食べた。



別れたショックから、全部忘れようとして心の奥底に閉じ込めていた。
それから7年たった今、再び蘇る。



「俺のこと…ちゃんと覚えてるよな?」

「ちゃんと全部?付き合ってたことも?」


同窓会で再開したあの日、近藤くんはそう言った。

その言葉に込められた意味を、少しわかった気がした。


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