予想外の恋愛
「家まで来たの!?朝田さんが!?何それ面白い!」
「え、そこなの?」
「だって家まで来たんでしょ?家まで来たんでしょ!?」
「二回言った…?」
「ああ、私の予想通りの展開になろうとしてる…楽しい…」
どうしてかやたらと興奮しているマチを目の前に、私は首を傾げてしまう。
私が知って欲しかったのはそこではなくて、中島さんのことは何とも思っていないということと、朝田さんへの誤解が解けたということだ。
「マチの予想通りって何よ…」
「ちょっとは朝田さんのこと見直したんじゃないの?前は争ってばっかりだったのに、そうでもなかったんでしょ?」
「いやいや…その後お店に来た時は相変わらずの最低男だったよ」
初めて名前を呼ばれたとき、不覚にもドキっとしてしまったけれど、それは一瞬の気の迷いだったのだと思うことにした。
星空と、静かな夜というあのシチュエーションに騙されただけだ。
「中島さんのことを好きじゃないと知った朝田さんは、どう思い直したのかしらね…」
「え?どういうこと?」
「あらやだ独り言よ。連絡先も家も知られて大変ね〜」
「まあ、知られたところでもう来ることもないでしょ」
「わかんないわよ。家近いって言ってたんでしょ?」
「何の用事があって来るのよ。絶対ない」
そう、絶対ない。と思っていたのだ。