予想外の恋愛
そして開始時間。
ドレス姿で入場した綾は、世界一可愛かった。
「綾、おめでとう」
「ありがとう!今日は楽しんでいってね!」
「そのつもり!あ、3人でも写真とろう」
なんとか綾に声をかけ写真を撮ったけれど、その後もずっと新郎新婦のところに人が押しかけ、話したいことはたくさんあるのに難しい状況だった。
同級生があつまるテーブルで、幸せそうな綾を眺める。
「ほんとにキレイだねー」
「うん、キレイだしかっこいい」
「次は誰かな。ナギサちゃんとマチちゃんは、結婚の予定ないの?」
「「ないない」」
「へえ、ないんだ」
そう言って後ろから肩を叩かれたと思ったら、近藤くんが立っていた。
「わっ!びっくりした!」
「あはは、驚かせてごめん。来てたんだね」
「う、うん…」
スーツに白いネクタイをして、髪をきっちりセットしている近藤くん。
格好よくて思わず凝視していると、急に照れたような表情になる。
「ナギサさん。そんなに見られると恥ずかしいんですけど」
「え?あっごめん…」
「いや、それに…今日のナギサは、いつもよりキレイだから」
「は……」
なんと。
そういうことをさらっと言わないで欲しい。
今日は近藤くん狙いの子達もいるみたいだ。
その証拠に、女子からの痛いほどの視線が突き刺さってくる。