少女Fの思惑

じゅーなな

歩いているとどんっと肩がぶつかって顔をしかめた。けど相手は女の子だったのですぐに謝る。
「あ、ごめん」
「あ…ご、ごめんなさいっ!」
え、なんでそんなに怯えるようにして走ってくの。私、そんなに怖かったかな。
…いや、1年生の間でひろまってる噂のせいか。一ノ瀬の噂とともにあまり表立ってはないが私のことも噂されてるらしい。
女子の友達をつくらず男子3人をはべらせているー…とか。…普通に友達なだけだし。友達に男も女も関係ないだろ。男女の友情はありえないとかいう人もいるけど、まず恋愛対象としてみていないのだから。もし相手が、涼たちが私のことをそう見ていたとしてもそこには友情だって入っているはずだ。
男女の友情は成り立たないなんていうのは互いの感情がブレやすくゆるゆるな人達だけだ。
「光?」
「…夕」
「どーかした?」
「なんも。なんで?」
「なんか痛そうな顔してた」
「…さっきぶつかったから」
「光、おっちょこちょいだな!」
「そーね」
なんか夕の笑った顔見たら全部吹っ飛んだわ。



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