少女Fの思惑

にじゅう

改めて思った。一ノ瀬すげぇ。
「光すごくね!?2位だよ!?!」
「一ノ瀬のがすごいでしょ、1位だよ?」
「2位でもすげーって」
中間テストの結果、上位50名までは各クラスに掲示される。その1位が一ノ瀬で私は2位だったらしい。別に私の頭がそうよろしいわけではない。全部二回目だからできるだけだ。前の世界では大学生だったわけだから高1レベルならまだ大丈夫だ。
それに二回目な私が2位ということより人生初のはずの高校1年生の中間テストで1位をとった一ノ瀬のがすごい。
「岩泉さん、すごいね」
「おっす、一ノ瀬!お前もスゲーな」
「…ねー、一ノ瀬くんのがすごいよー」
あ、なんかねこかぶってしまった。一ノ瀬が急に来るからびっくりしたんだ。
涼と晴生の冷たい視線がつきささる。夕は気にしてないみたいだけど。
なんだい、その目は。びっくりしたんだよ。
「ありがとう、次もお互い頑張ろう」
「う、ん…そうだね」
ふわっと笑う一ノ瀬はそりゃもうイケメンで。失神するかと思いましたよ。
離れていった背を見て思ってしまう。
くっそぉ、ほんとスゲー奴だな。イケメンで頭よくてスポーツもできるとか…ムカツクくらいスゲー奴だ。
「…光も一ノ瀬のこと好きなのか?」
「は?違うけど。ただスゲー奴だなって」
「ふーん、そっか」
「一ノ瀬スゲーよな!サッカーもうまいぞ!」
「ハイスペック」



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