Bad Voice



「平岡 太陽(ヒラオカ タカシ)です!
たいよう、って書いてタカシやで!
現在身長180cmでこの茶髪は地毛やで!大阪生まれの大阪育ちバリバリのなにわっ子やで!
よろしくやでッ!!!!!!」

暑苦しい挨拶を終えて太陽は拓弥の横の席に着いた
だが、まだ皆太陽から目を話せずにいた

その理由は明白だった

笠原より高い奴来ちゃったよ・・・

一人の生徒がぼそっと言ったのをクラスの全員が聞き逃すことはなかった
それは、太陽も同じだったようだ

「え?笠原って誰なん?」

太陽が、凌雅に問いかけた

「あんのぉー。あれだ!うん、うん」

凌雅が、答えられずにキョロキョロしていると

「海翔は、一番前のドア側の席」

ぶっきらぼうにこたえる男子生徒

「ありがとう!名前なんていうん?」

太陽は、その男子生徒に声をかけていた
クラス中がそれを見守っていた
それは、先生も同じだった
みんな、声を発せずにいた

「俺に言うてるん?」
またしてもぶっきらぼうに答えた

「あー!関西弁やーっ!名前なんなん!?」

太陽は、もっとテンションをあげて話し出した
それをみて凌雅に関してはもうだめだ
と言う風に頭を抱えてしたを向いていた

おもろいやん
男子生徒は笠原の方を見ていた
すると太陽の方に向き直り
話し出した

「俺は 吉野 晃介 (ヨシノ コウスケ)よろしくやで。」

その吉野 晃介の対応にクラス中がどよめいた
それは、俺も担任も一緒だった

「そっか!よろしくやでッ、ほんで」

太陽は、そう言いなが笠原のほうへ
向かって行った
笠原の前へ着くと真っ先に
笠原の金髪に染め上げてむしろ白髪に近い髪に手を触れて

「これって、地毛なん?
はじめにこの学校は髪の毛の染色禁止ですって言われたけど・・・」

太陽は、真面目な眼差しで笠原に向かって問いかけた

「アハハハッ」

晃介が、大声をあげて笑っていた
それをみて太陽は、首を傾げた

「これ見て地毛って言う奴
滅多にいないよね、やっぱおもしれぇ奴」

笠原が、自分の髪の毛に触れながら太陽の方を見て笑った

太陽は、だって地毛やと思うやん!などと意味不明な事を言っていた

「おれは、笠原 海翔 (カサハラ カイト)身長177cmでクラスでいっちゃん高かったんだけど180cmが出てくるとは思ってなかったな
とりあえず。よろしく」

その、海翔の返答にもクラス中が驚いた
海翔や晃介が、今までよろしくなどと言ったのをクラス全員ましてや
先生ですら、聞いたことがなかったからだ

「よ、よ、よし!それくらいにして太陽席にもどれー。」

担任の表情は、強ばり
声はとても震えていた
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