契りのかたに君を想ふ

将軍家茂 病死






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天皇との会談を終えた4日後の7月20日





14代将軍である徳川家茂が亡くなられた。





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スパンッ




絵美「失礼します」





慶喜「今度は何だ」





心底ダルそうにこちらを見つめる慶喜。





絵美「御所に行きたいの。その後はしばらく新撰組に帰る!」





慶喜「却下」





絵美「お願い!家茂公が亡くなられたから次の将軍を天皇と話したいの。あと組が少しごたつくから次の春まで新撰組に帰りたいの!」





慶喜「二条城から通ったらどうだ?」





絵美「無理。却下。さっ、取り敢えず御所に行きたいから春と雪を連れて行くね。慶喜は来ないで」




既に慶喜には将軍になることを伝えてあるが私が数々の歴史を変えている為、別の者になるかもしれない。



そんな事があってはならない。



それに変わっていた時、慶喜に知られたくない。




だからわざと慶喜を置いて行く事にした。




慶喜「なぜ俺を連れ行かんのだ!」




絵美「あなたには仕事がたんまりと残ってるでしょう!!!!!」


慶喜「んなもんあとでやりゃあ良い!」




絵美「あぁそうですか。なら貴方は次期将軍の候補から外させて頂きます。仕事をしっかりやらない者に将軍の器はありません」





その後もギャンギャンと揉めたが何とか絵美が丸め込み結局春と雪の2人を連れて御所へ行ったのだった。





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絵美「次の将軍は誰にするんですか?」




天皇「本来なら家茂の願いでもあった亀之助にしたいのだがまだ3歳の赤子だからな…慶喜が妥当だろう」





亀之助とは後の徳川家達。



現代では名を知る者は少ない幻の16代将軍と言われている。



しかし慶喜が大政奉還をしてしまう為、彼は将軍になることが出来なかったのだ。




彼は1863-1940まで生き、静岡県の初代藩主となり、東京オリンピックにも携わっていた。




将軍にはなれなかったが彼もまた別のところでしっかりと名を残していた。




絵美「それはいつ公表するのでしょうか?」





天皇「家茂が亡くなりしばらく忙しいからな。年の暮れには公表したいと思っておる」





絵美「私もそのくらいが良いかと。では、私は聞きたい事を聞けたのでそろそろ失礼させて頂きます。お忙しい中ありがとうございました」




天皇「道中気をつけろ」






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