契りのかたに君を想ふ







雪「絵美……本当にまた新撰組のところに行くの?」




絵美「うん。この時代では組が私の家だからね」





雪「でも絵美がいないと慶喜様は一人ぼっちだから…」





絵美「何を言っているの?慶喜にはたくさんの家臣や正室、側室がいるじゃない」





雪「違う。他の人と絵美にだけ向ける眼差しは全く違う。気づかないの?」





あぁ、始まった。




新撰組や長州、そして次は慶喜?




面倒臭い。




絵美「私は慶喜のことをそんな風に想ったことはないしこれからも何とも想わない」




雪「何でそんなことを平気で言えるの!!慶喜様の気持ちは考えたことあるの?!」





珍しく怒りをあらわにする雪に多少驚いたものの表情を崩すことはなかった。





春「雪、いきなりどうしたの?」




普段と違う雪に春も心配そうに声をかける。




雪「だって…だって……慶喜様が可哀想じゃない。絵美、慶喜様の気持ちを分かってあげて?お願いだから」




…………そう言う事か。



雪は














































慶喜が好きなんだ。





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