クールな彼の溺愛注意報




あたしは思わずしゃがみこみ、首元をおさえる。




「や、やばい……っ!」




ど、どうしよう、これ。

髪でかくせるけど、絶対なにかのはずみに見えちゃうって!



絆創膏でかくすことも考えたけど、むしろこんなところに傷がついたなんてあやしすぎる。


二宮くん、なんでこんなこと……!



昨日のことを鮮明に思い出してしまって、あたしはわ~っとまたひとりで赤面した。



昨日はあれから、二宮くんが起きることはなかった。


というか……ご飯ができても起こせなかった。



どんな顔をすればいいのかわからないし、ヘンな空気になりそうだし……。



だからラップをした料理のそばに【レンジであたためて食べてください】とメモを残して、

はじめて『おやすみ』を交わさないまま、その日は終わった。



けれど今日は、絶対に顔をあわせることになる。




「いったい、どんな顔であいさつすれば……」



 
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