クールな彼の溺愛注意報
ため息まじりにつぶやき、フライパンの中のベーコンの上にたまごを落とす。
お弁当には、昨日のうちにつくっておいたミニハンバーグを入れた。
効率よさを心がけて作業していると、
リビングのドアががちゃっと音を立てて開いた。
そのとたん、どきーっと心臓が大仰に跳ねる。
時刻はいつのまにか7時前。
制服姿の二宮くんが、リビングに入ってきた。
「……おはよ~」
心の中では大さわぎだけど、あたしは平然をよそおって二宮くんに笑った。
そんなあたしを、無言で見つめてくる二宮くん。
なっ……なにか言われる?
あやまられる? また迫られる!?
フライパンを持ったままひとりであせっていると、
……二宮くんは、ちょっとだけほっとしたような表情を見せた。
「おはよ」