クールな彼の溺愛注意報




「いきなり誰って……っていうか、なんで目かくすの」


「紫乃がほかの男見てるとイライラするから」


「そ、そんなこと言われても!」




さいわい、小さな声だったからあたししか聞こえなかったみたいだけど。


そんな嫉妬みたいなせりふ、ずるい。

しかもなんで照れずに平然と言うの!



ちょっと赤くなったあたしは、困惑状態の安達くんに気づいた。


あわてて葵衣と向かい合い、ストップの手をかかげる。




「葵衣、安達くんはあたしを助けてくれた恩人なんだよ!」


「恩人?」




首をかしげた葵衣に、あたしは図書室でかくまってもらっていたことを簡単に説明した。



葵衣はそれを聞いて、安達くんに視線をうつす。

ちょっとおびえるような安達くんを見て、小さく息を吐いた。



 
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