《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
帰りに、なんとなく一子が働くアンティークショップに足を運んだ。
ウィンドーから中を覗くと、歩と一子の姿が見えた。
歩は、タッパーを手にしている。
ーーーあれを返しに来たのか……。
「あれ、イケメンカリスマ美容師じゃん」
振り返ると、一子の妹である三津子がいた。学校帰りなのか制服姿だ。
「ちょーうける。何、覗いてんの?」
ニヤける三津子。
「いや、別に通りかかっただけだ」
「ふーん、入んないわけ?」
「ああ、別に今日は買いたいものもなさそうだから……」
「へぇ、そ〜」
ジロジロと秀馬を眺めた三津子は、今度店の中を覗いている。
居心地が悪くなり、秀馬は「じゃ、また」と言って歩き出していた。
「ちょっと、待ちなよ」
三津子にガシッと腕を掴まれた秀馬は、驚いて立ち止まる。
「……読めた」
ニヤリとしてみせた三津子に秀馬は、思わず悪寒が走るのを感じた。