《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★

当然、他の動物の腹にも文字があるかもしれないと考え、他の動物の腹を見てみた。


「なんて意味?」
興味深々の三津子が、動物をすべて寝かせてテーブルに並べてみる。


馬には、t’。牛には、a。羊には、J。山羊には、e。ねずみには、i。それぞれ違う文字が描かれていた。


「さあ、英語かなぁ」
歩が首を傾げ、馬と牛の位置を変えてみる。

「あ、羊だけ大文字だから、羊が最初じゃない?」一子が甲高い声を上げた。


「ああ、そうだ〜。一子ちゃん、さすがだなぁ」歩が言いながら、テーブルの上に腕を伸ばして一子の頭をヨシヨシと撫でた。

それを見ていた秀馬の眉間には、みるみるうちに深い皺が刻まれた。
「歩、手が邪魔だ。文字が見えない」
置き物が見えないとの理由から歩の腕を邪険に払う秀馬。


「あ、すいませ〜ん。秀馬さんが前に買った奴は、なんて書いてあったんすか?」
至極もっともな質問だった。だが、秀馬は苦々しい顔をみせた。

ーーーしまった。腹まで見てない。じっくり見るほどのものでもなかったからな。


「見てないんすか?」


この店で購入した置き物に秀馬が興味を持っていないと一子が知れば、きっと悲しげな表情を見せるような気がして、秀馬はひどく狼狽えた。

「あ、見てないわけじゃない。……忘れたんだ。書いてあるにはあったんだ。……だけど、特に……その気に留めなかったというか……文字なんかに特に意味ないんじゃないのか?」


秀馬は、話を既に持っている二体の置き物からそらせるために話をしめようとしていた。

< 111 / 342 >

この作品をシェア

pagetop