《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「真田さん?」
表情が見えなくても、相手の声色でわかる。
気になる女性の心境。それくらいは、さすがに理解出来る歳になった。
ーーー俺は今、彼女を困らせている。
「すまない……今のは聞かなかったことにしてくれ。じゃあ……お大事に」
引き戸をガラガラと開けて、外へ出た秀馬は逃げるみたいに早足で歩いた。
ーーークリスマスパーティーには、潔く一人で出席すればいい。同伴が決まりなんてことは無いんだから。
空を見上げるとチラホラと見える星。
次第に目が慣れて来ると、やがて見えてくる小さな星もある。
秀馬が吐いた長い息が白く冬空に溶け込んでいく。
ーーー何やってんだ。俺……。
久しぶりだった。自分の言葉や行動に後悔しているなんて。
何をこんなに後悔してるのかさえ、わからなくなっていた。
まるで、高校生の頃みたいだ。
初めてバイトした職場で「わからないことは無い?」と先輩に聞かれ、全てがわからなくて、何から質問すればいいのかもわからなかった。
そんな風に何をどうしたら、こんな状況になったのか。
ーーーさっぱり……わからない。
秀馬はコートを羽織り、急ぎ足で大通りへと向かった。