《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「あ、これ。知ってるわ。フランスの蚤の市で見たことある」
リビングの飾り棚の上に置いていた二つの小さな置き物を手にしている麻耶。例の一子の店で買った小さな猫と犬の置き物だ。
ちらっと見た秀馬は、大きく息を吐いた。今日の秀馬は、既に数え切れないほどのため息をついていた。
「台湾製じゃなかったのか。それ」
「秀馬、集めてるの?」
「いや、たまたま集まったんだ。いわくつきの置き物だ」
「これ、全部集めるとメッセージが出てくるらしいわよ。集めたら?」
「いらない。関わりたくない。呪いの言葉だったら、どうするんだ」
「そんなことないわよ。そういうのなら、もっと隠れた場所で売ってるわよ。嫌ねぇ〜」
「それもそうだな……」
麻耶が棚に戻した置き物を見て、秀馬はまた思い出していた。
さっきからずっと、ふとした瞬間に思い出してしまう顔があった。潤んでいる瞳に白い肌、紅い頰。
いつでも冷たく小さな手。
秀馬の胸にウサギみたいに震えながら寄り添ってきた小さい体。