《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★

秀馬の隣には、いつの間にか長峰仁美が
張り付いて立っている。いや、ただ立っているだけじゃない。

キスをしているのだ。

仁美の手が秀馬の後頭部に周り、秀馬の手は仁美の二の腕を掴んでいる。


目をそらし俯いた一子に歩が言う。

「秀馬さんは、一子ちゃんに似合わないって〜。見ての通りさ、秀馬さんには沢山女がいるんだから〜」



ーーー沢山の女。もしかしたら、真田さんは私をその中の一人にしたかったから「好きだ」って言ったの?


だんだんと歪んで見えてきたパーティー会場。

鼻がツンとしてきて、一子は掌で口を押さえた。

ーーーなんでだろう。涙が出そう。


「一子ちゃんには俺がいるから……ね?」
一子の肩を抱き「もう、帰ろう」という歩。



歩に支えられながら、会場の出口に向かっていると「歩、帰るのか?」と歩に声がかけられた。


声の主の方を見上げて、慌てて一子は目をこすり姿勢を正した。


「あれ、貴方さっきの」
歩に声をかけた男の隣にいた麻耶が驚いた声を出した。

「あ、先程は申し訳ありませんでした。ドレスは大丈夫でしたか? 」

「えぇ、気にしないでね」
綺麗な笑顔を見せる麻耶。

「ところで……歩の彼女?」
麻耶の隣にいた耕三が歩に聞いた。


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