《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★


「ぴたっとはまった通りに読むと。猫e、馬t’、牛a、ねずみi、犬m、山羊e。羊が割れたから字がわかんないんだけどな。e 、t’、a、i、m、e」

秀馬は、にっこり笑って一子を見つめた。
「前に麻耶に聞いたら、こいつらを知ってたんだ。フランスでは有名な作者の作品なんだと。その作者は、男性でさ、好きな女性の為にたくさん作品を作ったんだ」

「ヘェ〜、なんかロマンチック」
嬉しそうに微笑んだ一子。


ワクワクしている一子に秀馬は、腹を空かせたままではあったが、この置き物の作者についての逸話を話すことに決めた。

〜麻耶から聞いたフランスに生きた とある芸術家の話〜

アドルフは、平凡な農家の次男として育ち、家の仕事をしながら週末は趣味の魚釣りを楽しんでいた。

ある週末に、いつも魚釣りの場所に行くと既に先客がいた。

年はアドルフと同じくらいにみえる。短い髪の少年が草の上に横になって寝ていた。

近寄ると少年は、女性としてもおかしくないほどに綺麗な顔立ちをしていた。

「綺麗な子だなぁ」
感心しながら、アドルフは隣に座りいつものように魚釣りを始めた。

のんびり竿を垂らしていたアドルフ。

しばらくして、

「釣れた!」
アドルフより先に声をあげたのは寝ていたはずの少年だった。

アドルフの竿に久しぶりの大物がかかった瞬間だった。
< 312 / 342 >

この作品をシェア

pagetop