《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「なぜ、そこまで知られたくなかったの?」
一子は、眉毛をハの字にした。
「フィアンセもいたし、身分違いの恋だから、気持ちが知れると周りから酷い目に合わされると恐れていたんだろ」
「そお……かわいそうな話なのね?」
「いや、続きがあるんだ。娘は、たまたまある店で買った動物の置き物がえらく気に入ってね。シリーズを集めたいと父親に頼んだんだ」
「うわぁ! 本当に?」
嬉しそうに飛び上がり、一子は秀馬の腕を掴んだ。
「本当だ。で、今の俺たちみたいに集めて、それの持つメッセージに気がついたんだ」
大きな瞳で、息をのみ秀馬を見つめる一子。
ーーーほらな、俺の話を真剣に聞いてる顔っ! なんて可愛いんだろ。俺の一子は……。
秀馬は、一子の肩を抱き寄せた。
「メッセージは、羊が割れても理解出来たぞ。……フランス語で Je t’aime(ジュテーム)私はきみを愛しています。それが愛しい娘を想いながら作った置き物に秘めたアドルフのメッセージだったんだ」
秀馬は、大きな一子の瞳を見つめて顎を指で持ち上げた。