《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「お待たせしましたぁ」
手にしていた馬蹄にクローバーの乗ったブローチを棚に戻して、秀馬は綺麗にラッピングされた包みを眺めた。
「綺麗にラッピングしてある」
「はい、ラッピングだけは 得意です」
「へぇ、意外だな」
「意外ですか? そうですかねぇ」
首を傾ける一子。
そんな一子をじっと見た秀馬は、
「いつから居眠りしてたんだ? よだれのあとがついてる」
「えっ、どこどこ?」
慌てて口の周りを指で触る一子。
「あ〜あ〜何してるんだよ。よだれよりもリップがはみ出したぞ」
まるで、小さな子供が食べ物を食べたあとに口の周りを汚して、それを親が仕方ないわねぇと言うみたいな言い方だった。
秀馬は、片方の手で一子の肩をおさえ、もう片方の手の指先で一子の唇からはみ出したリップをそっと拭った。
ーーー真田さんにだらしない女って思われたかな。
「あの、いつも寝ている訳では無いんですよ。もちろん」
「そうか? あんたは、いつでも寝てるイメージだが」
「そんなイメージ……なんかカッコ悪いですね」
「どこでも寝られるなんて俺は羨ましい。俺は寝つきが悪いし、旅行とかでも中々眠れない」
「……大変ですね?」
「同情か? あんたに同情されるとはな…………ところで、カットを教える話だが」