《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
ーーーあいつ、また寝てるのか?
ガラス張りの店内から、外を見渡せる席、サラリーマンとOLの間に座る人には確かに見覚えがあった。頬杖をついて、斜め下をむいている。
ーーー間違いない。あいつだ。
頬杖ついている女は、やはり一子のようだった。
立ち止まり一子を観察する秀馬。
時折、頭を揺らし、がくんとなり支えていた頬が手から離れる。
ーーー家で寝ればいいだろが。
一子を見ているおかげで会話がおろそかになる秀馬。
「どうかしたか?」
スマホから聞こえてくる心配そうなマッツンの声。
「いや、ちょっと知り合いがいて……」
「そうか。じゃあ、また明日かけるよ」
「あ、悪いな。別に大した知り合いじゃないんだ。ほんとに…」
秀馬が答えると、電話の向こうで急にマッツンが笑いだした。
「ん? なんだよ。急に笑いだして」
「ははっ、お前って奴は本当にわかりやすいな」
「何が」
ほんの少し動揺し唾を飲み込む秀馬。
「……大したことの無い知り合いって、女だろ」
どういう訳か電話の向こうにいるマッツンは、断定するような言い方をした。