《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「目が覚めたら、ガラスの向こうに真田さんが見えたんです。嬉しくなって走ってきました!」
大きな瞳を輝かして嬉しそうに秀馬を見上げる一子。
ーーーこいつは………なんつう顔して俺を見るんだ。
一子の瞳は、まるで家で主人の帰りを今か今かと待っていた忠犬のごとく嬉しそうで、まっすぐだった。
「……」
浮かした足を戻し、秀馬は真っ直ぐに自分を見つめてくる一子から逃げるように視線を外した。
「ごめんなさい。驚かせました?」
無言で視線を外されたので、一子は秀馬が怒ったと勘違いしたようだった。
「……大丈夫だ。また、寝てたのか。なんかのテレビで見たけど、どこでも急に眠る病気があるって……それじゃないのか?」
「さあ、調べたこと無いですから〜」
細い首を傾げる一子。
コートの丸襟から見えている細い首が、あまりにも細くて、それにとても寒そうだった。
だから、ほとんど無意識のうちに秀馬の手が動いていた。