《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
先程、暑くなって外した紺色のマフラーを一子の細い首にふんわりと巻いてやる。
一子は、秀馬に巻いてもらったマフラーを指先で掴んで、ニッコリと微笑んだ。
「あったか〜い」
そのあと、亀みたいに首をすくめた。
「とっても! あったかいです。ありがとうございます。でも、真田さんが寒そう」
「俺は、さっき暑くて外したんだ。今の状態で丁度いい」
ーーー暑いから、外したマフラーを寒そうな人に貸すのは、人として当然だ。
「じゃあ、少しだけ借りていいですか?」
「ああ、勝手に使えばいい」ぶっきらぼうに返事をする秀馬。
「真田さん、どうしてここに?」
秀馬を見上げる一子。
「偶然だ。たまたま帰りに通りかかっただけだ。電話がきたから偶然、ここに立ち止まったんだ。だから、あんたは俺を見つけたみたいだが、俺は、あんたがスタバにいたなんてのも全く気がついてないから」
「気がつかない? ここら辺、同じようなガラス張りの店だけど、私がスタバにいたのは、わかったんですね〜」
笑顔で言う一子。
ーーーわかるだろ。ガラスの向こうから俺を見つけたってあんたも言ってたし…………待てよ……。
秀馬は、スターバックスの方を見て愕然としていた。