《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★

スターバックスの右隣には、ケンタッキー。左隣には、クリスピークリームドーナツがあった。
どの店もガラス張りで、席から外が見える作りになっていた。


ーーーしまった。どの店もガラス張りじゃないか。
こいつは、ガラスの向こうから俺が見えたとしか言わなかったのに、俺はわざわざスタバにいるのも気がつかなかったと、自ら墓穴を掘るようなことを言ってしまった。



ニコニコして俺を見上げる一子。


「それより、なんか用事か? 」
話をそらす秀馬。


「いえ、真田さんを見つけたので、ガラス越しじゃない真田さんの顔が見たくて来ちゃいました」

そぉっと、秀馬の頰へと手を伸ばしてくる一子。秀馬がギロッと見ると、慌てて手を下げた。

「ごめんなさい。綺麗な顔だから、触りたくなっちゃって…へへっ」
笑ってすまそうとする一子。


「へんだな。あんた…」
言ってから、秀馬は、一子と同じ目線の高さになるように背をかがめた。

同じ目線の高さで、じっと秀馬は一子を見つめた。


「……触りたいんだろ?」

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