続*時を止めるキスを —Love is...—
思ってもみなかった誘いに素直にひとつ頷けば、マンション内に停めてあるというL字のエンブレムが光るSUV車で向かうことになった。
龍が常に掛けているメガネは固い印象を与える代物。でも、休日は黒フレームのメガネに変えると知ったのも、その時。
「あー、アレは仕事用」
「でもコッチの方が好きです、よ?
ほら、優しく見えるし……」
上司と部下の関係も変化したばかり。
敬語混じりでしどろもどろで言うと、ハンドルを握る彼にフッと笑われてしまう。
「じゃあ、これからは藍那専用だ」と。
——あの瞬間、彼にグッと近づけたような気がして胸が高鳴った。
助手席から運転する横顔を覗き見しながら、まったり会話していると駅前の駐車場に到着。
遠出よりはゆっくりしたい、という意見が合致したので、今回は構内にある複合施設で買い物を済ませることにしたのだ。
簡単にワンピースを2点選び、うち1点を試着室で着替える。さらに近くのランジェリー・ショップで、セット下着もパパッと購入。
急場を凌ぐ物を揃えると、レストラン・エリア内にある一軒のパスタ屋に入った。
オリーブ好きな私はプッタネスカ、龍はボロネーゼをそれぞれ注文。
ひき肉入りのパスタが好みと聞いたので、料理好きな母にミートソースの作り方を教わろうと思ったのは内緒である。
お腹も満たされてお店を出ると、「揃えるから買いに行くぞ」と謎の発言をされて首を傾げた。