続*時を止めるキスを —Love is...—
元々、社内でも多くを語らないタイプだが、怒らせると持ち前の迫力を交えて雄弁になる。
とはいえ、プライベートで180度変わるかと言われると大差ない。
良い意味で、裏表はない。……え?決して悪意はないですよ。
ベラベラと話さないものの、話し始めると会話は尽きなかったりする。
要は場を作るのが非常に上手い。まあ、これは上司なのでよく知っていますが。
つまり、彼は無口じゃない。あ、気性は激しいかと。——オマエが言う?、と言われそうですな。
しょうもない口喧嘩ならよくするし、龍が本当に怒る時は地元の関西弁(厳密には神戸弁らしい)が入る。
「てことは、社内ではいつも理性的ってこと?」と、ケンカの最中に尋ねたら笑われて。
「あまりに呑気な顔で聞かれると、怒る気も削がれたよ」
などと失礼なことを言われたのも最近ですけどね!
あれ?、とはたと気づく。——いわゆる、付き合い始めの空気感とは随分違うものが、私たちの間に流れていますね……絶対に。
「……寝たか?」
そこで、低くもあたたかみのある声音が耳に届く。
その心地良さに導かれるようにして、私は重い瞼をゆっくり開いた。