続*時を止めるキスを —Love is...—
どうやら背中のあたたかさに乗じて、うとうとしていたらしい。
これは、リネンの質感や寝心地にうるさい私が安心していた証拠。
「んんー、お風呂連れてって」
返した声が明らかに寝ぼけているあたり、熟睡一歩手前だったよう。
「風呂入るつもりか?これで」
肩越しに冷たい視線をひしひしと感じるが、そんなものに怯えていた私はもういない。これも関係の大きな変化だろう。
「二軒目がタバコ臭かったんだよねー。メイクも落としたいぃ」
仕事帰りに食べて飲んだ結果、匂いが混ざって染み込んだ全身が臭い気がする。
しかも、夕方にリタッチしたきりのメイクはドロドロに溶けかけていて、これは女として拷問に等しい。
今さらですが、お風呂上がりの彼のTシャツに皮脂とファンデをおみまいしてしまいました。うん、心の中で謝罪しよう。
「……そういや、陽気になるけど眠気が来ねえ、意識はっきりタイプだったなオマエ」
チッと舌打ちしながら振り返った龍。
うつらうつらしている私の手を取ると、そのままバスルームに誘導してくれた。
言葉より先に、身体や行動で示してくれる。——分かり辛い優しさに気づいた今は、そんなところがたまらなく愛しい。