続*時を止めるキスを —Love is...—
でも、ここでも目の前の無神経男は首を傾げているから、今までになく腹が立ってきた。
私の涙とズタズタに傷つけられた心はなんだったの?……何のために、あんなに悲しい思いをしたわけ?
それに浮気相手のことはどうでもいいって言っても、これじゃあ相手にも失礼じゃないの?
「っ、ふざ」
そこへテーブルの中央辺りに、バンッ!とひとつ大きな手が割り入るように叩き置かれた。
席につく私たちが揃って顔を上げると、まさかの人物と顔を合わせることになってしまう。
「……相性ぴったり?再確認?
ふざけんな。藍凪を貶めるのも大概にしろ」
こちらを一瞥した人物——龍がドラゴンの名のままに、恐ろしい視線とひと声をタカシに向けている。
常日ごろ私を含めた部下が怒られる時のものはとっても優しいことを、今ここで再確認しましたよ。
何度も目をパチクリさせていると、龍に立ち上がるように言われたのでバッグとともに席を立つ私。
彼の隣に遠慮がちに立とうとすれば、グッと強引な手つきで肩を引き寄せられてしまいましたが。
テーブル席の前に立つ私たちの視線は、座ったまま呆然としているタカシのほうへ向いていた。